水素社会とは、ガソリンや火力発電などの化石燃料を使用せず、水素によってエネルギー供給を行う社会のことです。
水素社会をめざす背景
- 原発が稼働していた2010年までの日本のエネルギー自給率は19.9%(2010年)と高めでしたが、それ以降は6.0%(2016年)まで急低下しています。
- 化石燃料などの資源は数十年余りと枯渇が危惧されていています。
- このような水素社会構想は、1990年代始めから燃料電池車の研究を始めたトヨタや1990年代後半から燃料電池の研究を始めたパナソニックの存在なしには進みませんでした。
エネルギー源としての水素のメリット
- 地球上のほとんど水素は、気体ではなく海水などの「水」として存在しているため、膨大な量の水素が地球上にはあります。
- 気体でも液体でも、貯蔵や運搬が可能です。
- 利用段階ではCO2を排出しない、究極のクリーンエネルギー源です。
- 水素は適切に管理することで安全で人体に無害な物質です。
- 各地域で水素により電気や熱の地産地消が可能になります。
水素のつくり方
- 都市ガスのメタンから水蒸気改質反応により取り出した水素を利用します。
具体例としては、パナソニックと東京ガスが発売している「エネファーム(家庭用燃料電池)」があります。 - 太陽光・風力などの再生可能エネルギーから水分解(高温水蒸気電解)を行うことで、CO2を排出せずに水素を生成します。
例) 東芝エネルギーシステムズの大出力燃料電池
水素を運ぶ方法
- 都市ガスのインフラを利用します。東京ガス
- 高圧水素トレーナー等で運搬します。 岩谷瓦斯
- 海外から水素を運搬船によって輸送します。 川崎重工業
水素を貯める方法
東芝エネルギーシステムズ
1万世帯×8hの電力供給(32MWh蓄電容量)
5MW級 水素電力貯蔵装置
経産省 水素ロードマップ (東芝Webサイトより転載)